April 2009
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ZEVEN E-LEVEN
ZEVEN E-LEVEN 第五話『Sephirothic tree』
*2A:『Sephirothic tree』 そして翌日、いつものオカ研面子はいつもの屋上ではなく、コンピュータールームにたむろしていた。まだ暑さの残る外の様子を考えれば、強い冷房の効いた室内はちょっとした楽園であった。 現在、メインでディスプレイに向かっているはサフィちゃん。 「カシマさんの原因となったサイトの調査ですか?」 「そうよー。ま、今回はぶっちゃけ超地味ですよ。もっと凶事起これ、みたいな?」 二郷先輩はだるそうに、やたら不謹慎なことを言う。 「どうー、ググって何か情報出てきたー?」 無言で作業するサフィちゃんの背中に声をかける。 「…………」 サフィちゃんは顔を動かさずに凄いスピードでキーボードを叩いている。やっぱりこういう内気系な娘って、コンピューターが自分の一部みたいな感じなんだろうなー……とか思ってると、サフィちゃんは段々肩を震わせながら……...
March 2009
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ZEVEN E-LEVEN 第四話『カシマさん』
*1st Chorus:『カシマさん』 それから数日、閃光のような二日間が過ぎてからは、特に活動の連絡も無く平穏な日々が流れていった。 「京って暇なときって何してる?」 オカ研の活動がほぼ毎日なのだろうと思っていた僕は、正直なところ暇を持て余してしまっている。何か良い時間つぶしが無いかと、同じく帰宅部である京に訊いてみたわけだ。 「俺か? 普段は道場で剣振ってるかトレーニングしてるしな。他は勉強だ」 「え? ちょっと待って、何もやってないとか言ってなかったっけ?」 「部活訊かれたときだろ? 部活じゃなくて家の道場なんだよ」 納得できたけど、釈然としないなぁ。俺がのほほんとしてる間にも、京は文字通り文武に頑張っていたわけか。 「剣道か何かか?」 「剣術だな。鹿島神傳直心影流(かじましんでんじきしんかげりゅう)の分派の一つだ」 ...
ZEVEN E-LEVEN 第三話『静海高校旧七不思議』
*1C:『静海高校旧七不思議』 放課後、また日暮れの屋上に集まる三名。やはりサフィちゃんは昨日と同じウィッチハットにローブにマントの出で立ちだ。 「それでは、月河十一魔霊封印式解明研究会、略してオカ研、新メンバーに栗生明人を加えての第一回活動をはじめまーす」 「……おねがい、します」 「略になってないですけど、オカ研でいいんですか!?」 「毎回そう名乗るの面倒だしね」 確かに。 「それでは、新規会員であるミント君の為に、活動内容を説明します。サフィが!」 「え、えぇ!? わ、わたしが、ですか?」 慌てるサフィちゃん。何というか小動物みたいで可愛い。 「え、えと…あの、そのですね……」 「月河市……(ぼそり)」 てんやわんや気味の彼女に二郷先輩が何かアドバイスをする。...
ZEVEN E-LEVEN 第二話『首吊り熊の怪異』
*1B:『首吊り熊の怪異』 僕は彼女達に改めて自己紹介をしたのち、寮に送った荷物の整理のため別れた。研究会の活動はメールで知らせるとのことなので、交換したアドレスが電話帳の中に。 「よく考えれば、友達第一号なんだなぁ」 なんて、的外れなことを考えながら、学校そばの学生寮「みすず寮」に到着する。寮長のお嬢さん(みのもメソッドでお届け)に挨拶をすると、自分の部屋の鍵を賜わり、指定された部屋に向かう。全部屋完全個室ってのは嬉しいような、寂しいような。 一階はパブリックスペース、二階が男性寮、三階が女子寮となっているそうだ。僕の部屋は二階221号室。 「ただいまー」 を言う相手もいないけど、取りあえず、真っ暗な部屋な空間に帰宅を告げる言葉を投げる。それだけでこの場所が自分の帰る場所になったような錯覚を、僕は手にする。 「もう、遅いじゃないの」 「えっ?」 ...
ZEVEN E-LEVEN 第一話『Magi』
*Intro:『Zeven Elf Leven』 流れる星はありません。 藍色深く浮かべた星が隣へと囁く音もまた、ありません。 夜空の底へ広げて敷いた絨毯は、透徹させた闇、研ぎ澄まされた静寂を、星の光で編み込んで、初秋の夜景を彩ります。 その光景を遠く離れた神社の脇で見つめ佇む大きな影は、街を見守る御神木、原形界と繋がりし、たった一つの出入り口―――『生命の樹』 風に揺れては喜び跳ねる、枝の別れたその端々に、揺れ動いては浮かんで消える命の鼓動があるのです。 風が止まったある一瞬。 その時神は沈黙を千々切り裂いて、此の地へ向かい十閃の矢を放ちます。 闇を貫く十の鏃は此の地を封じるセフィラの輝き。 王冠なりし『ケテル』は、ダイアモンドの澄み切った輝きを。 知恵なりし『コクマー』は、ターコイズの鮮やかな青色を。 理解なりし『ビナー』は、パールの淡き色彩を。 ...
February 2009
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中二病棟24時(序盤)
『あるいしのきろく』 人とは愚か者である。 見えないものに、祈りを捧ぐ。 届かぬものに、祈りを捧ぐ。 神に、世界に、あるいは自己に。鎖で繋いだその身を望む。 そして彼らもまた、ひどく愚かな者達だった。 僕がみていた病室の中、カーテンが白い壁へと青い光を転写する、狭く区切ったあの部屋で、彼らは自己の世界へ祈る。 見えぬ世界に、祈りを捧ぐ。 届かぬ空に、祈りを捧ぐ。 やがて彼らは手に入れる。見えぬ届かぬ自己の世界を。 祝う声など、聞こえない。 縛鎖で絡め、鍵かけ閉ざす、それは呪い。 突っ走ってはすっ転んで、掴んだ呪い。 繋がるものは誰もない。 けれども僕は、彼らのことが羨ましかったのだろうと思う。 僕にみる事が出来るのは、彼らの外の世界だけだから。 そう、だから、僕は初めて祈りを捧ぐ。 有り得ぬものに、祈りを捧ぐ。 ...